ねたましくなるとき

●ねたましくなるとき●

詩編
49:1 【指揮者によって。コラの子の詩。賛歌。】
49:2 諸国の民よ、これを聞け/この世に住む者は皆、耳を傾けよ
49:3 人の子らはすべて/豊かな人も貧しい人も。
49:4 わたしの口は知恵を語り/わたしの心は英知を思う。
49:5 わたしは格言に耳を傾け/竪琴を奏でて謎を解く。
49:6 災いのふりかかる日/わたしを追う者の悪意に囲まれるときにも/どうして恐れることがあろうか
49:7 財宝を頼みとし、富の力を誇る者を。
49:8 神に対して、人は兄弟をも贖いえない。神に身代金を払うことはできない。
49:9 魂を贖う値は高く/とこしえに、払い終えることはない。
49:10 人は永遠に生きようか。墓穴を見ずにすむであろうか。
49:11 人が見ることは/知恵ある者も死に/無知な者、愚かな者と共に滅び/財宝を他人に遺さねばならないということ。
49:12 自分の名を付けた地所を持っていても/その土の底だけが彼らのとこしえの家/代々に、彼らが住まう所。
49:13 人間は栄華のうちにとどまることはできない。屠られる獣に等しい。
49:14 これが自分の力に頼る者の道/自分の口の言葉に満足する者の行く末。〔セラ
49:15 陰府に置かれた羊の群れ/死が彼らを飼う。朝になれば正しい人がその上を踏んで行き/誇り高かったその姿を陰府がむしばむ。
49:16 しかし、神はわたしの魂を贖い/陰府の手から取り上げてくださる。〔セラ
49:17 人に富が増し、その家に名誉が加わるときも/あなたは恐れることはない。
49:18 死ぬときは、何ひとつ携えて行くことができず/名誉が彼の後を追って墓に下るわけでもない。
49:19 命のある間に、その魂が祝福され/幸福を人がたたえても
49:20 彼は父祖の列に帰り/永遠に光を見ることはない。
49:21 人間は栄華のうちに悟りを得ることはない。屠られる獣に等しい。

 

マタイによる福音書
6:24
だれも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない。
6:25
それだから、あなたがたに言っておく。何を食べようか、何を飲もうかと、自分の命のことで思いわずらい、何を着ようかと自分のからだのことで思いわずらうな。命は食物にまさり、からだは着物にまさるではないか。
6:26
空の鳥を見るがよい。まくことも、刈ることもせず、倉に取りいれることもしない。それだのに、あなたがたの天の父は彼らを養っていて下さる。あなたがたは彼らよりも、はるかにすぐれた者ではないか。
6:27
あなたがたのうち、だれが思いわずらったからとて、自分の寿命をわずかでも延ばすことができようか。
6:28
また、なぜ、着物のことで思いわずらうのか。野の花がどうして育っているか、考えて見るがよい。働きもせず、紡ぎもしない。
6:29
しかし、あなたがたに言うが、栄華をきわめた時のソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。
6:30
きょうは生えていて、あすは炉に投げ入れられる野の草でさえ、神はこのように装って下さるのなら、あなたがたに、それ以上よくしてくださらないはずがあろうか。ああ、信仰の薄い者たちよ。
6:31
だから、何を食べようか、何を飲もうか、あるいは何を着ようかと言って思いわずらうな。
6:32
これらのものはみな、異邦人が切に求めているものである。あなたがたの天の父は、これらのものが、ことごとくあなたがたに必要であることをご存じである。
6:33
まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、これらのものは、すべて添えて与えられるであろう。
6:34
だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。